野放図なブランド拡大の危険性についてのQとKの優れた論文の多くは、めまぐるしく変化する消費財の、きわめて厳しい小売環境に基づいている。
私見によれば、止めどない戦略。
不在のブランド拡大の危険性はブランドイメージの消滅であり、パッケージ商品に限ったことではない。
ここには、製品ライン拡張を親ブランドに積極的なイメージを築くために活用するという、非常に現実的なチャンスも存在する。
1つのブランドのイメージがそのエクイティを喚起するとは異論のあるところだろう。
これまでの慣例的考え方によれは、広告こそがブランド・イメージの源泉として不可欠だといわれる。
実際、ブランド拡大は、親ブランドのイメージを根本から変えうるのである。
もしうまく適合できなければ、製品ライン拡張は実質的な損害となりうる。
だがうまく管理されれば、莫大な利益をもたらす可能性がある。
たとえば、M・Bが1980年代半ばに190モデルを発表したとき、同社は初めて準高級車購入層まで市場を拡大することに成功した。
リスクは、190モデルの導入がM・Bの既存イメージを低下させるのではないかということだった。
反対に、190は、全ラインの高揚と活性化に大きく貢献したのである。
ブランドイメージを、メーカーイメージ、商品イメージ、ユーザーイメージの3つの構成要素で考えてみよう。
Mは「byM」と位置づけたニューブランドを導入することにより、より安全な道を選ぶことができたはずである。
コストのかかる戦略であるが、より高級でない車に伴ういかなるグレード低下の可能性をも排除しながら、メーカーイメージを押し上げることになっただろう。
この戦略は、M190が瞬く間につくりあげ、親ブランドに貢献した魅力的なユーザーイメージにおいては限界があっただろう。
同様に、実用的なイメージの商品ラインを持つマーケティング担当者にとっては、高級イメージ商品を市場に送り込む戦略が有効な場合があるGが第一級の品種もののワインを導入したとき、同社は「G」というブランドネームを使うことに決めた。
低価格商品と結びついたそれまでのGのイメージは、明らかに新しい品種ものワインの魅力を低下させた。
その高級層向け商品イメージに、品種ものワインに対するユーザーイメージが加わったことによって想起されたイメージは、親ブランドにとって重要かつ積極的なものだった。
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